2003年10月28日〜11月3日まで、門司港レトロ、旧門司税関にて「門司港アート村展　2003」が開催されました。
門司港アート村とは、廃校を工芸家の活動拠点として利用しているところで、私（栗原）も二年間ほどここで活動をしていました。

2003年の展示会は、門司港のレトロなイメージを作品に投影するというテーマで、「アールデコ」をキーワードとした作品を各作家が提案しました。　　アールデコとは、大正時代に世界的に流行したデザイン様式です。　　それ以前は、アールヌーボーという有機的なデザインが主流でしたが、それに対する意匠として、幾何学模様を基調としたアールデコ様式のデザインが世界を席巻しました。　　　ニューヨーク、マンハッタンの高層ビル群は、アールデコ様式で作られたものが多く、エンパイアステートビル、クライスラービルなどはその代表例です。

日本がアールデコの洗礼を受けたのは大正時代です。　　家具も、それまでの伝統的な意匠と、アールデコの様式が融合して、日本流のデザインが生まれました。　　ヨーロッパのアンティーク家具とは異なる、昔の日本の、誰もが懐かしいと感じる・・・そのようなデザインが日本のアールデコです。

今回の作品作りにあたっては、そのような懐かしさを再現できればという思いで取り掛かりました。　　しかし、単純に昔の家具のレプリカを作るのではなく、今の住環境においても違和感がない、そのようなものを目指しました。　　シンプルを旨とする普段の私の作風とは対極にあるものですが、懐かしい昔の雰囲気もなかなかよいものだな・・・と思ったりしています。
では、ご覧ください。