８年ほど前に納めたダイニングテーブルの削り直しを行いました。

諸事情によりメンテナンスをすることになり、その一環として天板の削り直しをしました。

まずは斜めに削って塗装を剥ぎ取り、素地を露出させます。
この天板は4枚の板を合わせて製作していますが、時の経過で部分的に板が痩せて少し凹んだ状態になっています。

写真でおわかりのように、削っていくと凹んだ部分が最後まで残るのです。
なかなか珍しい風景です。

とにかく根気よく削って平らにしたら、今度は鉋を真っ直ぐにかけて仕上げていきます。
気力、体力のいる作業です。

そして、塗装。

年月を経てワインレッドになっていた木肌は、削り直しによってもとの淡い色へと戻りますが、それでも経年の歴史は染み付いているのでしょう、、、
淡いながらもまっさらな状態とは違い、濃色であった余韻がほんのりと残る味わい深い色合いとなっています。

オイルフィニッシュ特有のしっとりとした艶が出るまで塗り重ねていきます。
素材のチェリーの美しさが徐々に増していくのです。

削り直しによって表面のシミ、傷、凹みなどはほとんど消え、きれいな天板に再生しました。

これこそが無垢材で作ったテーブルの大きな魅力です。

2021年5月製作　お届先　神奈川県

納品後の写真をいただきました。

テーブルの削り直しをしている時は、久しぶりに子供の面倒を見ているような感慨がありました。
これからも長く愛されるように、そんな思いで送り出したのでした。

これから10年、20年、、変わらず生活の中心にこのテーブルが有ることを願っています。


ちなみに、新品時のテーブルはこちら→ダイニングテーブル8