ホームページをご覧になりお問い合わせをいただきました。
10年ほど寝かせている楠の一枚板があるのだが、これを用いて何かできないだろうか？　とのご相談をいただき、「では、とにかく一度拝見させてください」ということで保管先へお邪魔させていただきました。

厚い楠です。　以前神社のご神木だったもので、切り倒した際に製材所へ運んで板に挽いてもらい、それを10年ほど倉庫で保管されていたと言うことです。　　保管状態が良かったのでしょう、反りや割れなどもあまりなく、なかなかの良材です。　　

｢では、お預かりします」ということで、工房に保管して眺める日々・・「ううん、どのように仕立てようか？」　などと思いつつ数ヶ月・・・再度お客様とご相談させていただき、酒卓にしましょうということで合意いたしました。

この木が生えていたときの姿を思いつつ、耳は切り落とさずに皮を剥いで研磨し、自然木のラインを残した仕上げとしました。　表面は鉋で削って滑らかに・・・いや、楠の香りは相当に強く、鉋をかけるほどに香りに酔ってしまいそうです。　　鉋のあとは研磨してオイルをかけて完成。　　なかなかいい風合いになりました。

かなり重いため、脚の下にはキャスターを仕込んでおり、簡単に移動できるようにしました。　

ご神木で飲むお酒はまた格別かもしれませんね。　　でも、酔っ払いすぎると罰が当たりそう・・？
この木が生えていたときに思いをはせ、乾杯です。　　ドラマです。