椅子のご相談をいただきました。　　　低めのダイニングテーブルに合わせる椅子を・・・とのご依頼でした。

ご自宅は現在建築中、古民家を移築したつくりになるとのことで、テーブルは、古材を使って造られるそうです。　　高さは650ミリと低め、一般的なダイニングテーブルは700ミリくらいが標準ですから、だいぶ低いテーブルになります。　　これでは、市販の椅子を合わせることはできませんね。

いろいろとお話をさせていただきました。　　幸い・・・というべきか、低いテーブルに合わせるために、必然的に椅子の座面も低くしなければなりません。　　座面が低くなるほど、リラックスできる椅子の作りに近づいていきます。

ちょっと欲が出てきました。　　ダイニング用としても使うことができ、リラックスもできる・・・という椅子の可能性が広がります。

その方向で合意、デザインをいろいろと考えてみました。　　古民家作りということですので、普通は民芸調のデザインが一般的なのでしょうが、民芸はできるだけ避けて、スタイリッシュな感じでまとめて欲しいとのご要望でした。

また、ダイニングは土間になる予定とのこと、通常の4本脚では土間を傷つけてしまいそうです。　　いろいろ考えた上、足元に畳摺りと呼ばれるパーツを取り付けることにしました。　　これも、和風な感じにならないように、枠構造にして、できるだけ細くまとめてみました。　　

各部の寸法は、サンプルの椅子に座っていただき、それを参考にしながら詰めていきました。

これ一つで、食事、読書、ビデオ鑑賞と、いくつもの用途に使うことができる、自分だけのパーソナルチェアーです。

ちょっと贅沢ですが、これくらいの贅沢、楽しんでみたいですね。