故人の思い出を収納するための箱・・・そのようなお問い合わせをいただきました。

最初はお電話でお聞きしたのですが、無宗教なので仏壇を持っていない。　その代わりに、故人の写真や思い出などを仕舞っておけるもの・・・そのようなものを探している。　そのようなものができるだろうか？　とのご要望でした。

後日お宅へお伺いしたのですが、、だんな様が先立たれてまもなくのことで、お部屋に置かれた祭壇と、ご遺影の前でいろいろとご相談をさせていただきました。

無宗教で故人を祭る・・・そのような仏壇のようなもの・・・けれど、無宗教なので仏壇ではない・・・
仏具屋をはじめ、いろいろとお探しになられたとのことで、現代風の仏壇なども考えたのだけれど、何か違う！

扉がないのが特徴的です。
考えてみると、仏壇でもそうですが、扉を閉めることって滅多にないですよね。
扉を閉めて、暗い箱の中に閉じ込めてしまうと、故人も寂しいのではないでしょうか？　

一番下は引き出しです。　　思い出の品や、お香などを収納します。

その上に、スライドの棚を設けました。　美味しい食事をお供えしてください。


納品にお伺いし、だんな様のご遺影を飾り、手前にろうそく照明をつけたときは感慨深いものがありました。
ぼんやりとした明かりに照らされて、だんな様の写真が少し微笑んだように思いました。

宗教色を感じさせないシンプルな形で、リビングにおいても違和感のないもの。
また、だんな様の思い出を入れるものなので、静かで、落ち着いた佇まいを感じられるもの。

これらを基本の考え方とし、お客様と一緒にデザインを考えていきました。

収納されるものは、ご遺影、思い出の品、香炉、お花など・・　そして、だんな様が好きだった料理を作ったときは、それを供えるための棚が欲しい・・

そのようなご要望を踏まえつつ、形が決まっていきました。