引き出しいっぱいのキャビネットです。

このような形のものができないだろうか？
と、イラスト付きのメールをいただき、それをもとに検討いたしました。

ご遠方でしたので、メールを介して少しずつ話しを進めていきました。

引出10枚に、左右の開き扉2枚を備えた収納量抜群のキャビネットです。

引出などのレイアウトはシンプルですが、納め方のほんの違いによって表情ががらりと変わりますので、細かいところに気を使いながら設計していきました。

（神は細部に宿る）

さて、このキャビネット、その最大の特徴は・・・色です。
できるだけ濃い着色を・・とのご要望でした。

また、ウレタン仕上げではなく、オイル仕上げをご希望の由。

このため、まずは着色剤のみを用いて下塗りから数度重層し、さらに、色の異なる着色オイルを塗り重ねて仕上げました。

濃色でありながらも、オイル仕上げ特有のしっとりとした質感があり、手触りも素材であるホワイトオークの触感をしっかり残しています。

そして、二色の色の異なる塗料で、単一ではない深みのある色調に仕上がりました。

取っ手はお客様からのご支給品
真鍮の輝きが濃い色によく映えますね。

設置場所は、ご覧のように壁の凹み部分。

設置時、ぎりぎりの寸法だったのでうまく入らず、壁をちょっと削ったりと大汗をかくトラブルもありましたが、奮闘の結果、無事収めることができました。

納品後の写真をいただきました。
お部屋の中で、圧倒的な存在感を誇っているとのこと・・ありがとうございました。

正直なところ、着色作業は殊の外大変で、それはそれは話すも涙のドラマがありましたが、ご満足いただけて苦労が吹き飛びました。


いつもは木そのものの色合いを生かしたクリア仕上げとすることがほとんどですが、このように着色もできます。
ホワイトオークは、色を加えると木目が強調されて、表情が豊かになりますので、着色もお勧めです。

ご希望の方、是非お問い合せください。

（着色作業は大変ですけど・・ね　(^^ゞ　　）