木工房シンプルキッチン収納庫の扉

縦に長～くご紹介します。

キッチン収納庫の扉についてご相談をいただきました。

扉というもの、本来は建具屋さんの領域になるのですが、框組みの建具そのもののデザインではなく、木を縦に組み合わせたざっくりとしたイメージの扉ができないか？　　とのご相談でした。

建具の難しいところは、反りや捩れが出ないような構造にしなければならないところです。

ご要望のデザインでこれらを満足する為に、原木の選定に気を使いました。　　パインのストックの中から、できるだけ反りが少ない物を選び出し、時間をかけて養生し、少しずつ削って仕上がり寸法にそろえていきました。

上下には木を横に渡してデザイン上のアクセントにすると共に、横方向への反りを防ぐ構造としました。　　これを端バメと呼びます。

取っ手や蝶番などの金物類は、お客様からご支給いただきました。　　隣のカーテンレールと統一され、黒くくすんだ荒削りの金属がピリッとしたスパイスのようにいい感じです。　　

仕上げはやはりご要望を受けて、薄く白に着色しています。　　木目や節を透過する薄い白がきれいですね。　　床のクリア仕上げを施したパインとのコントラストも面白く、上質なカントリーといったイメージになったように思います。

壁は白の珪藻土仕上げです。
カーテンやタイルなど、いろいろな素材がまとまって、気持ちの良い空間になりました。　　

やっぱり、白ってきれいですね。

＜ご感想のメールをいただきました＞

出来上がった扉はパインにホワイトで着色していながら塗りつぶさずに
木目が透けて見えて、でもアンティークのようにペンキ剥げ剥げという感じ
ではなく、品よくナチュラルに仕上がっていると思います。
カントリー風キッチンの質をひとつ上げてくれるようで
ただの扉のはずなのに、眺めるだけで、また開け閉めする度に嬉しくなる扉です。

ありがとうございました。
白いパインは私にとっても新たな発見でした。　　また、金具もいい感じで、いろいろとご紹介いただきありがとうございました。
これを機に、さらにパインの魅力を探って行きたいと考えています。　

床のパインと、扉のパインが、年月を経てどのように替わっていくのでしょうか。　とても楽しみです。